トラベラーズノートに含まれる油分について

メンテナンス

トラベラーズノートを艶のある美しい表面にエイジングさせていく過程で、市販のオイルを塗って艶のあるオイリーな状態に仕上げるというメンテナンスを行います。

その中でラナパーが良いとか、コロニルがおすすめと言った意見があり、私も各種オイルによる比較を実際に行なっています。

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1つのトラベラーズノートに6種類の異なるオイルを少しずつ塗って、どのような状態になるかを検証しています。

さて、トラベラーズノートには皮から革への製造過程の中で革の中にオイルを含ませています。公式サイトにも下記のような記載がありますね。

トラベラーズノートの革は、タンニンなめしの牛革にオイルを含ませることで適度な柔らかさを持たせ、自然な風合いを生かすため過剰な表面加工をせずにナチュラルな染色仕上げをしています。
【TFA】
【TFA】「トラベラーズノート」革について

この油分が含まれていることで使用しているうちにオイルが表面に出て艶のあるエイジングが進んでいくわけですが、中に含まれているオイルは見えませんしすぐに表面に出てくるものではありません。

私も必要に応じて市販のオイルは使用しますが、基本的な考え方としては出来るだけ市販オイルを使用しないで、中に含まれるオイルを表面に出していく事でエイジングさせていくことを目指しています。(私の中で勝手に、自然エイジングと言っています)

実はこの含まれるオイルは、人工的に簡単に表面に出して艶のある状態を作り出す事が出来ますので実際に行ってみました。

トラベラーズノートに元々含まれているオイルを表面に出す


今回の検証で使用したのは、新しく調達したキャメルのトラベラーズノート。キャメルは色が薄くて変化が見た目に分かりやすいので。
このトラベラーズノートの片側を元々含まれるオイルによって表情を変化させていきます。

用意するものは普通のタオル1枚。

このタオルで、トラベラーズノートの表面を強めの力で擦っていきます。

オイルがしっかり含まれている革製品は、上から強い圧力をかけてあげると中の油分が浮き出てきます。

革製品を使っていて、何かが当たっている部分だけ色が濃くなってしまったという経験は皆様も有るかと思いますが、あれは濃い色に変色してしまっているのではなく、中のオイルが浮き出て色が濃くなっているケースが多いのです。


擦り始めて数分。
タオルで擦っている部分の少し色が変わってきました。

さらに続けて擦っていくと、


擦った反面のみしっかりとオイルが浮き出てきて既にエイジングが進んでいるような濃い色に変化してきました。


※ここまでの変化をさせるのにある程度強い力で30分ほど擦り続けています。

今回の内容はあくまでも検証用に行なっていますので普段のメンテナンスで行いませんが、トラベラーズノートの中にオイルがしっかり含まれている事は伝わるかと思います。

革製品を購入される際、メーカーさんや店員さんにメンテナンス方法を聞くと、「布で拭く」・「ブラッシングしてあげる」といったような案内をいただくケースがあります。

メンテナンスというと市販のオイルを塗ってあげる事に意識が行ってしまいがちですが(私も以前はそうでした)、基本的には普通に使って、定期的に表面を綺麗にしてあげていればゆっくりと中の油分が表面に浮き出てきてオイリーな状態でエイジングは進んでいきます。

ご参考程度までに^^