トラベラーズノートブラックの色ぬり&蝋引き仕上げ。

カスタマイズ

こんにちは、よしぞーです。

半年ほど前ですがトラベラーズノートブラックをカスタマイズしていますので、CLUB TNにもアップさせていただきます。

このカスタマイズでは、革の裏側を赤く色付けし、表面は蜜蝋と油分を溶かし込んで表面の雰囲気も蝋引き風にしました。

名付けて、【トラベラーズノート Black&RED Edition 蝋引き仕上げ ハチミツの香り付き】です。

道具さえあれば比較的簡単にできるカスタマイズですのでの流れを説明します。

このカスタマイズをしたのが2017年11月、カスタマイズを行ってからちょうど半年くらい経ちましたので使用感や失敗した点も含めてお伝えできればと思います。

トラベラーズノートブラックのカスタマイズ

準備するもの


今回のカスタマイズで準備したもの。左からユニバーサルレザーローション、レノベイティングカラー補修クリーム、蜜蝋、ラナパーの4つ。

上記以外では途中汚れを取ったり最後に仕上げるためのブラシ(馬毛)はあった方が良いです。

裏面の色塗り


まず、トラベラーズノート裏面の色塗り。色ぬりにはサフィールのレノベイティングカラー補修クリームを使用します。(もともとこの補修クリームは、革製品の一部の色が剥げてしまった時に使用するものですが、今回は革全体の色付けに使用しました。

最初はスポンジにつけて塗っていきましたが、途中からめんどくなって指で。普段から革製品のメンテナンスには指を使っているので、指で塗った方がしっくりときます。

指で全体的に塗った後、スポンジで伸ばしていくという流れに切り替えて、この作業を数回繰り返していくと、だんだん色が乗っていき、しっかりとした赤へと染まっていきます。今回は5回ほど、時間では約1時間程度かけて上塗りを繰り返しました。

ポイントとしては、補修クリームは乾きが早く塗って数分も経つとほぼ乾いた状態になりますので、全面を一気に塗らず反面ずつ塗っていった方が良いです。

最後に付けすぎてしまったクリームを拭き取って、色ぬりは完成です。


こちら色塗りが完了した状態。

色塗りで失敗したと感じた点

今回の色塗りでいくつか失敗したなと感じた点がありますので挙げておきます。

1つ目は、トラベラーズノートの裏面を研磨せずに色塗りを初めてしまった事。

この補修クリームの説明書きには「起毛革(きもうかわ)」には使用できないと記載があります。起毛革とは、ヌバック、スエード、ベロア、バックスキンなど銀面や肉面をサンドペーパーなどの研磨材を用いて起毛させた革のことを言いますが、トラベラーズノートの裏面は毛が立っている状態ですので今回のクリームは起毛革にあたると考えています。

その為、使っていくうちに塗った色が落ちてしまうのではという心配がありました。


トラベラーズノートの裏側。明らかに毛が起きている。

半年使用してみたところこの心配は的中し、挟むリフィルに少し色がついてしまう結果となりました。

補色材は完全に乾いている状態なのにかかわらず、リフィルに色がついてしまう理由としては、革の毛が起きている状態がゆえに補色材が剥がれ落ちてリフィルに色が着いてしまったのだと感じます。また完全な赤に仕上げようと思い、補色材を5回ほど上塗りしました。完全な赤にならなくとも上塗りする回数を減らしておけばまた違う結果となったかもしれません。

次回行う際は着色する面を可能な限り研磨して、ツルツルの状態にしてから色塗りをするか、完全に色がついていない状態で妥協するか、または別の補色材を探した方が良さそうです。

2つ目は、最初は容量の心配からユニバーサルレザーローションと補修クリームを配合しながら使っていましたが、補修クリームだけでも足りることが分かり途中からは補修クリームだけを使用しました。最後の仕上げにはラナパーでも代用できるので、ユニバーサルレザーローションは不要でした。

こんな失敗もありつつ、個人で使用するレベルでは十分満足のいくものに仕上がったと感じています^^

蝋引き仕上げ

続いて銀面(表面)の蝋引きです。
イメージしたのはブライドルレザーのような仕上がり。ブライドルレザーは革の中に蝋と油を染み込ませて作られているもので使用とともに素晴らしい艶と光沢を醸し出していきます。このカスタマイズでは蜜蝋というハチミツで出来た固形のロウと油分としてラナパーを表面に染み込ませていきました。


まず、ラナパーを全体に塗り、その後で蜜蝋を少しずつ擦り込んでいきます。

塗り込み続けていくとロウの固形のかたまりがトラベラーズノートの表面に付着してきますので、この付着したロウに熱を加えて溶かしこみます。(今回は手で少し触れても火傷しないレベルの低温に設定したアイロンで溶かしこみました)

この工程を何度も繰り返して(今回は3時間ほど)ロウをトラベラーズノートの中に染み込ませました。


全体的にロウが染み渡った状態で作業を終了。

表面の光沢感はさほどありませんが非常にサラサラしているのと、ロウを染み込ませる前よりもパリパリとした表情で硬くなったように感じます。そしてトラベラーズノートがハチミツの香りとなりました。

どの程度ロウを染み込ませていけば良いのか手探りでしたが、良い状態に仕上がりましたので満足です。

色塗りや蝋引きなどのカスタマイズは初めての体験でしたので試行錯誤の中での挑戦でしたが、最終的な成果物としては個人での使用レベルでは満足がいくものが作れたと感じています。

また、このトラベラーズノートをトラベラーズカンパニーの
「TRAVELER’S notebook みんなの投稿」に応募したところ、下記のページに掲載をいただきました^^

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半年使ってみて

こちらがカスタマイズから半年経った現在の状態です。

表面

裏面

まず表面。一般的にひっかき傷のつきやすいトラベラーズノートですが、蜜蝋を塗ったことにより表面がコーティングされたような状態になり傷はほとんど付かないままエイジングが進み始めているようです。触った感触は当初のパリッとした感じから少し柔らかくなりしっとりとした状態になっています。

色ぬりした裏側は中央の折れ曲がる部分がヒビ割れたような箇所も出てきて若干色も落ちておりますね。ちゃんと染めているわけではありませんので仕方ないですね。

多少の失敗はありましたが、満足度はとても高いですよ^^